ホテルと旅館の法律的な違い
旅館は、ほかの宿泊施設の中と比べると、ふんだんに木を使った部屋の内装・歴史を感じる調度品・木のテイストが心地よくてなんだか落ち着く……などを思い浮かばれる方も少なくないと思います。ホテルとほとんど同じに見えてしまう旅館ですが、実は両者にはいくつかはっきりした違いがあります。今回はホテルと旅館の法律的な違いについてご説明します。
法律的な違い
皆さんの中には、ホテル=洋室、旅館=和室というイメージを持たれている方が少なくないのではないでしょうか。それも大きな間違いではありません。ホテルと旅館には、「旅館業法」という法律によって明確に定義づけられてはいますが、どちらも「洋室のみ(和室のみ)」で宿泊施設を構成しないといけない、といった決まりは特にありません。結論を言いますと、ホテルと旅館の主な違いとしては、「トイレ」や「入浴設備」、「客室の数」などにあります。
法律的なホテルの定義
ホテルの法律的な定義は以下のとおりです。
- 客室は、10室以上であること。
- 宿泊者の需要を満たすことができる適当な数の洋式浴室、またはシャワー室が部屋に備わっていること。
- 便所は、水洗式であり、かつ、座便式のものがあり、共同用のものにあっては、男子用および女子用の区分があること。
などがあげられます。
法律的な旅館の定義
旅館の法律的な定義は以下のとおりです。
- 客室の数は5室以上であること。
- 該当する施設に少し離れた場所に公衆浴場がある等の入浴に支障をきたさないと認められる場合を除いて、宿泊している人の需要を満たすことができる適切な規模の入浴設備が備わっていること。
- 適切な数の便所が備わっていること。
いかがでしたでしょうか?
ここまでは旅館と民宿の法律的な違いについて説明してきましたが、簡単にまとめると、ホテルは「客室数が10室以上」で「浴室やトイレの内容についても洋式にしなければならない」と指定されていますが、旅館のほうは「客室数が5室以上」と指定されているものの、その他の設備の浴室やトイレについては特に細かく決まっていないのです。
そうなると、旅館によっては浴室とトイレの内装デザインが大きく異なるため、新しい旅館に訪れるたびに、この違いを念頭に置いて見てまわると、さらに滞在する楽しみが増えてよいかもしれませんね。